平成二十四年 睦月

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まだ正月休みがつづいているように冴えない。ようやく年末予定の作業が片付いた。


ついでに面倒を片付けてしまおうと、押入れの箱いっぱいの古紙をまとめることにした。全部降ろしてみて気付いたのは、その紙束の大部分が裏紙に印刷された就職募集要項と職務経歴書だったことだ。いつ箱に突っ込んだか——廃物扱いになったか思い出せないが、まだ棄てていなかったのだ。
 量だけは膨大だ。つい数年前までそれは私にとって必要な量だった。そしてまた、その量に押し潰されもしたのだ。
 その他にも、就職時に必要だからと大学で取得した健康診断書の束も見つかった。極めて健康。ただし八年前。何社で必要となるか判らず、東京を離れれば母校での申請が面倒になるのでまとめて数枚揃えていたものだ。同様に卒業証明書の束もまだどこかにあるはずだ。なぜなら、いずれも想定に反して提出する機会が一度もなかったからだ。


昨年、三十路を迎えた。無為から多くを失った二十代の記憶は、ふいに甦り胸を抉る。
 膨大な量の要項も経歴書も、ひとつとして役を為さなかった。古紙として回収されて再生紙にでもなれば、少なくとも紙としては役を為すだろう。そう期待する。


Jan. 5, Thu.

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imitated records or false memories

漁業通信

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