平成二十六年 如月

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新鶴見橋をくぐる小さなトンネルを抜けたところで、階段に腰掛けて煙草を喫みながらサボっている郵便配達夫のオッサンと目が合った。急いでいたので足早に通り過ぎたが、オッサンは悠々と、悪びれる様子もなく。
 ああして配達が遅れて、一日、二日、諸々の期日が曖昧に溶けていけば、いろいろ不便で、世の中暮らしやすいだろうと思った。


Feb. 7, Fri.

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帰宅して、薬指の先が切れていることに気付いた。心当たりは、昨日割ったコーヒーサーバーの硝子片、朝のひげ剃り、バラを切ったハサミを返したとき。


午後にAと、T喫茶へ行くことになっていた。過ぎたバレンタインを口実に花でも添えて贈ってみようかと、昨日チョコレートを買ったとき思いついた。
 落ち合う前に駅の花屋で黄色のバラを買った。黄色は花言葉が酷いらしく、それが良いと思った。花屋のおねえさんはどう思っただろうか。ラッピングを待つ間、自分が黄色のマフラーの出立ちだったことを思い出して、少し後悔した。ミニバラを一輪だけもらうつもりが、枝付きの束で出てきたので余計に恥ずかしくなった。花がたくさんついていたので、贈った後、少し分けて貰おうと思った。
 初めて訪れたT喫茶を味わいながら、美とか自由とか井上陽水とか、嫉妬、花の切り方、そんな話をした。


Feb. 17, Mon., 日が長くなった

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スーパーへ歩きながら辿った午後の日向は春だった。空気は寒いが、光は暖かい。
 ついでに買ってきたギンビスのアスパラガスをかじりながら、「なんでアスパラガスなんだろう?」と思って包装の成分表示を見てみたが、アスパラガスは入っていないしよくわからなくて、“ショートニング(豚肉を含む)”とあったのでイスラム教徒は食べられないんだと思った。


Feb. 24, Mon.

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漁業通信

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