平成二十七年 如月

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午時を過ぎたA喫茶の客は疎らで、僕の他には漫画を読んでいる学生風のおにいちゃんと、ほぼ同時に入った月給取り風の男だけだった。マスターがテレビの選局に文句を垂れていた。「こんなん見るくれーなら『水戸黄門』がええゎ」
 サンドイッチとコーヒーを注文して、持ってきたA新聞の日曜別冊を読んだ。アーミッシュの暮らす地方についての記事があった。
 新聞売り場が気になってのぞいてみると、60ページもある分厚い新聞が大量に売られている。紙面のほとんどは「今日はとても寒いが、親戚10人が集って楽しく過ごしました」といった個人の身辺雑記で埋まっている——


オムレツを挟んだサンドイッチはおいしかった。奥さんがおしぼりを丸めるゴロゴロいう音を聴きながら、新しいノートに、前のノートから引継ぎの「wants」リストを書き写していた。
「完全な真空」、「秋の理由」、「Still Life」、「Dr. スランプ」、運動靴、自転車、傘、風力発電プラント、枕崎、ホーチミン、キッチンタイマー……


Feb. 6, Fri.

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漁業通信

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