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近頃仕事が捗らないので、読書が捗った。僕の内に矛盾はない。二月からちまちま読んできた芥川龍之介の短編集を読み終えた。
次はどれに手をつけようかと、壁際の細板に平積みしてある文庫本の山を眺めてみると、小さな蜘蛛が浮いていた。錘りの丸石にまだ数本だけの糸を張って、今夜はもう一段落といった様子を見ていると、書棚の物色も白けてしまった。どうせすぐに読みはしないのだし、また明日にでも。
アルバイトの次のシーズン、夏に、休憩の喫茶店のおねえさんに「また同じ本を読んでる」と思われないのはたぶんすばらしいことだ。
June 1, Thu., 2017